茶道具の中の消耗品を挙げてみます。

懐紙、袱紗、茶筌、茶巾

懐紙は現代で言えばティッシュのようなものですから、消耗品であることはすぐに分かります。しかし、他の3点は現在使い捨てにはしません。

 

茶巾は、現在、普通使い捨てにはしないと思います。しかし、日常生活で食器を拭いたりテーブルの上を拭いたりする「布巾(ふきん)」に近い使い方ですから、点前ごとに別のものを使い、使った茶巾はきちんと洗ってまた使えるようにする。汚れてきたら、新しいものにする、というのが現在は一般的ではないでしょうか。

昔の使い方を見ると、原則、点前ごとに新しいものと交換していたようです。

 

服紗は茶巾と単価が違いますが、使い方はかなり近かったようです。

ただし、服紗は普通には洗濯することができません。方法はあるようですが、普通に洗うとゴワゴワになってアイロンをかけても元に戻りません。むしろそのように作られています。

服紗は畳んで服紗挟みに入れておいたり、胸元に入れておいたりします。すると、折り目がつきます。この折り目は一度つくとアイロンなどで伸ばそうとしても伸びません。

服紗はそういう生地で作られています。そして、折り目がついた服紗を使っていないことが新しい服紗を使っている証拠になります。

現在、稽古の度に新しい服紗を使うということはないと思いますが、茶会で点前をすることになったとか、非常に大事な場面では、服紗を新しいものにするように先生からご指導あると思います。

服紗を新しいものにするのは、客に対する敬意の表し方と考えてもいいと思います。

 

茶筌も服紗とほとんど同じように考えていいようです。

新しい茶筌は、穂先がカールしています。これが未使用の証拠です。一度湯につけるとこれが伸びます。乾いても、最初のようなカールした状態にはなりません。

点前の最初の方には茶筌が見える場面があります。客は自分に対して使われている茶筌が新しい物か、使いまわされた物かを、そこで知ることができます。