まず、on-line茶道には限界があります。道具が問題になるからです。

最初の6カ月ほどは基本的な道具の扱いや点前の手順を覚えることが中心になります。その後はさまざまな道具の扱いとそれを使った点前になります。

茶碗を例にしましょう。茶碗にはさまざまな形があります。暑い時期には平茶碗、寒い時期には筒茶碗があり、普通の茶盌と扱いが異なります。その時期に必ず使わなければならないということではありませんが、さまざまな道具に触れるのは茶の湯の楽しみです。美しく絵付された茶碗の場合、それで飲んでいるとぜいたくな気分になります。しかし、それが紅葉の模様であれば、やはりその時期に使う方がより気分が高まります。さまざまな道具に触れながら、自身の道具としてはどんなものを揃えていくかということになります。

この段階になるとオンラインでは、見ることが中心になります。見るだけでは、楽しみが半減します。忙しくて直接、教室まで行けないので今回はオンラインにする、というような部分的な使い方が有効だと思います。

また、茶道を習う楽しみの一つにお菓子があります。基本的にお茶とお菓子はセットになります。なぜ、切り離せないのかは説明の必要があります。甘いものが苦手で、食べることができないという場合はしかたないのですが、さまざまな菓子を経験していただくことは、茶道にとって重要な要素です。対面の教室では、次にどんな菓子を出すかということで、いつも悩みます。コンビニなどで簡単に手に入らないものもあります。

オンラインではこうしたデメリットがある反面、次のようなメリットもあります。

・何よりも時間が節約できます。最初の6カ月ほどは点前の手順に慣れるのが中心ですから、最初に揃えた道具を使って自宅や出先でも稽古をすることができます。

・個別に稽古ができます。要相談ですが、仕事の合間とか、旅行先でとか、なかなか手順が覚えられないので補習的にとかにすることができます。

特に最初のころはオンラインでも十分に稽古ができます。