Q1:茶道を習うときには正座しなければなりませんか?

  正座をしないとお茶を飲んではいけないという決まりはありません。

 正座をしなくても茶道はできます。茶道では基本的に和室を使いますから、正座はできた方がいいのですが、最初から長時間、正座ができる必要はありません。一般的な茶会は長くても一点前、30分程度です。このくらいの時間が理想です。少しずつ慣れていけばいいと思います。

 また、和室用の座椅子があります。低い高さの椅子型、着物でも正座しているようにみえるものもあります。上手な足の崩し方を覚えるのも茶道で学ぶことの一つです。

当教室では、正座ができない方はテーブルやイスを使って稽古をしています。

Q2:始めるのにどのくらい費用がかかりますか?

 自宅で点前の稽古ができるようになることを基本にしています。何も持っていないという状態からだと3000円程度で基本的な道具を揃えていただきます。初回は、どんな道具を揃えなければならないかというところから始めます。

道具の扱いを覚えるため、移動時に破損してもそれほど負担にならないように、なるべく安価なものを準備しています。道具の扱いを覚える最初の6カ月ほどは個人での購入をお勧めしません。

どんな道具がどのくらいの価格なのかが分かってから、少しずつ道具を揃えていく方がいいと思います。

Q3:稽古では最初、どんなことをしますか?

 まず、飲み方と点て方です。次に割稽古という点前で必要なことを部分に分けた稽古をします。茶巾の畳方、服紗の扱い、茶筌の振り方などです。それぞれの所作ができるようになると、つないで略盆の点前に進めます。その後、さまざまな点前に進みますが、最も基本的な部分は略盆の点前に含まれています。

基本的なことを習っていく間に、そもそも茶とは何か、禅について、茶道の歴史についてなどを学びます。葉茶の入れ方や和菓子、懐石料理なども学びます。

Q4:点前は難しくないですか?

 点前の所作には、それなりの意味があります。意味のない動作を行っているわけではありません。点前は最初、何をしているのか分からないので難しく感じますが、基本的な流れは3カ月ほどで分かるようになります。

 茶筌の振り方や服紗の畳方が最初からできる人はいません。ただし、何回かすればできるようになります。

Q5:オンラインの稽古はどんなものですか?

 茶道は、基本的に、誰かに抹茶を点てて飲ませ、コミュニケーションを行うものです。しかし、客を入れずに一人で点てて自分で飲んでもかまいません。「茶禅一味」と言います。一服の茶を無心に点て飲むことはとても大事なことです。

 茶を点てるのにいろいろな道具を使いますがほとんどは代用が利きます。いろいろ試してみて、どこでも手に入るもので代用ができないのは抹茶と茶筌だけです。

 最初は「抹茶をどうしたら飲めるのか」ということからはじめます。これは一回で独立しています。茶道に興味はあるが、まず、どういうものか知りたい、という人のためのものです。抹茶を飲むには何が必要なのかを見てもらい、始めてみようということになれば、必要な道具を集めたり、買っていただいたりすることになります。

 教室に足を運んでいただくのが基本的な方法です。オンラインで免状までというのは難しいです。しかし、オンラインでもかなりのところまで可能です。

Q6:習うのはどのくらいの期間ですか?

 どこまでできるようになりたいかが問題です。点前関係なく、ただ点てることだけならば、1時間ほどでできます。初めての方には、どうしたら抹茶を点てられるかというところから始めます。

最初に略盆という盆を使った点前を習います。週1、月3回のペースで3か月ほど通えば、できるようになります。その後、釜や水指を使う普通の点前に進みます。初めて抹茶を点てるところから、最も基本的な薄茶の平点前ができるようになるのに6カ月くらいかかります。

熱心に家で稽古をするようであれば、もっと早いでしょう。これはのんびりと習っていくペースでの話です。

その先では、様々な道具の扱い。濃茶。点前以外の茶花や香のことなど、さまざまなことを学んでいくことになります。茶を習うのは「点前」が中心ですが、点前以外にも様々なことをします。続ければ、10年、20年になります。

難しい点前ではなく、基本の点前だけでいい、という考え方もあります。点前はできなくていい。飲むだけ、ということでも構いません。「茶禅一味」と言います。一服の茶を飲むことは、座禅を一回組むことと同じということでも構いません。

茶を習う目的はさまざまです。

Q7:表千家不白流というのはどんな流派ですか?

 茶道流派のなかで現在最も会員人口が多いのは裏千家、次が表千家です。ただし、それ以外にも多くの流派があります。

 江戸時代に入ると日本の中心は京都から江戸に移りました。庶民を含む教育事情の広がりの中で江戸でも茶道に対する需要が高まりました。表千家八世如心斎の高弟、川上不白は茶道普及のため、江戸に派遣されます。これが表千家不白流、通称、不白流の始まりです。

 点前は流派ごとに少しずつ違いがあります。ただし、基本的な手順はそれほど変わりません。また、もとは千利休から始まる千家の茶道ですから、表千家や裏千家の点前とも似ています。

 他流の点前はそれほど見る機会がないので細かなところは分かりませんが、あまり形式的にならず自然ですっきりとした点前だという話をよく聞きます。

Q8:点前って何をしているんですか?

 点前はお茶をおいしく飲むためのものです。粉に湯を注いでかき混ぜればお茶はたちます。しかし、よりおいしく飲むために、茶碗を温めたり、茶筌を具合よく濡らしておいたりした方がいいわけです。所作にはそれぞれ意味があります。

Q9:私は不器用で点前ができるようになる自信がありません。

 茶道は、競い合うものではありません。華道や書道と比べても、コンクールなどはありません。確かに上手な点前やきれいな点前をする方はいます。しかし、点前の所作は一定の形に従っていて、普通の人にはできないという動作はありません。

Q10:茶道って何ですか?

 茶道とは何かということを示したものに「七則」というものがあります。その最初の文言が「服のよきように点じる」というものです。飲む人がおいしく感じるように点てるというものです。

 誰かのために点てるのが最初に思いつくことですが、自分のために点てるでも構いません。のどが渇いたから飲むでもかまいませんし、一盌に全霊を込めるでもかまいません。

 茶道には決まった形があるのではなく、人それぞれです。

Q11:「テーブル点前」と「テーブル茶道」は何が違いますか?

 特に習い始めは服紗の畳方だけでも時間がかかってしまいます。服紗が畳めるようになるまで正座をしていなければならない、ということはありません。最初に習う略盆の点前では、部分に分けて動作を習う割り稽古をします。それぞれの部分の動作を覚えたら、つないで、点前を通して行います。このとき、最初は30分ほどかかりますが、慣れてくると10分程度でできるようになります。

 まず、点前の基本的な手順を略盆では学びます。正座が苦にならないようであれば、構いませんが、足の痛みを我慢して点前をしなければならないということはありません。だんだん正座できるようになればかまいません。正座ができなくても和室用の座椅子などがあります。

 学校では和室で授業をしていますが、足を崩したり、あぐらをかいたりしています。畳の上に座れない人のためにはイス席を用意しています。